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【コラム】獣医師監修!犬や猫の採尿方法を詳しく解説|正しい手順とコツをマスターしよう

尿検査は、犬や猫によく見られる尿の病気や腎臓病を発見するために重要です。健康診断や体調が悪い時などに尿検査が必要な場合、ご家庭での採尿をお願いすることが多いですが、どのように採尿すれば良いのかわからないという飼い主様は少なくありません。
しかし、正しい採尿方法を知ることで、ストレスなく検査に協力することができるようになります。

今回は犬と猫の正しい採尿方法について、手順や採尿時の注意点などをご紹介します。

犬の採尿方法:基本の手順を詳しく解説

トイレやペットシーツの上で尿ができる子であれば、ペットシーツの表裏を逆にして、ビニール面が表になるようにセットします。尿をしたらスポイトなどで尿を採り、専用の容器に入れましょう。特にメス犬は地面に近い位置で尿をするため、この方法がお勧めです。

外で尿をする子であれば、人間の採尿方法と近い形で行います。未使用の紙コップを用意し、排尿姿勢をとったら紙コップで尿を受け取り、専用の容器に移し替えましょう。

ただし、繊細な性格の子であれば、「なにかいつもと違う」と勘づいてしまい、採尿がうまくいかないケースもあります。そんなときはスポンジタイプの専用のキットを使うと、比較的簡単に採尿できます。動物病院からもらうか、市販のものを使用しても良いでしょう。

 

猫の採尿方法:2つの採取方法を紹介

猫の採尿方法は、2つの方法があります。

 

<トイレでの採尿方法>

猫砂の上に清潔なビニールを敷いたりペットシーツのビニール面を上にして敷いたりして、その上に尿をさせてスポイトなどで採尿しましょう。また、システムトイレであれば下に落ちた尿を回収するだけで済むため、採尿に敏感な子でもお互いストレスなく採尿できます。

 

<採尿キットでの採尿方法>

犬と同様、スポンジタイプの採尿キットを使う方法もお勧めです。排尿姿勢をとったらお尻の下からそっとキットを滑り込ませ、尿をスポンジに吸収させましょう。

 

室外飼育の場合も基本的にやり方は同じです。ただし、どうしても採尿が難しい場合は病院で採尿することもできるため、お困りの際はかかりつけ医に相談するようにしましょう。

 

採尿時の注意点と避けるべきNG行為

採尿容器は必ず清潔なものを使用します。基本的には病院からもらった専用の容器を使いましょう。専用の容器がない場合は洗ったペットボトルでの代用が可能です。

ただし、ジュースが入っていたものは検査結果に影響が出てしまう可能性があるため、水が入っていたペットボトルがお勧めです。これらは必ずしっかり洗い、完全に乾かしてから使用しましょう。

また、採取した尿は、できるだけすぐ動物病院に持参しましょう。時間が空いてしまう場合、2〜3時間位であれば冷暗所で、もう少し時間がかかる場合は冷蔵庫で保管しましょう。

無理な採尿は動物たちに大きなストレスを与えかねず、逆効果です。膀胱を圧迫したり、しつこくトイレに連れて行ったりすることはやめましょう。動物病院ではカテーテルや膀胱穿刺で採尿することもできるため、どうしても採尿が難しい場合は一度ご相談ください。

 

こんなときは要注意!獣医師に相談すべき症状

以下のような異常が見られる場合は、病気のサインである可能性があります。

・尿の色が赤い
・尿の量が極端に少ない
・トイレに頻繁に通う
・トイレで痛そうに鳴く

また、尿が全く出ていない場合、「尿閉」を起こしている可能性があります。尿閉は短時間で命に関わる緊急性の高い状態であるため、尿が出ていないことに気がついたら直ちに病院を受診してください。

このように、尿の病気は時に生命を脅かす事態に陥ることもあるため、定期的に健康診断を受け、早期発見・早期治療に努めましょう。

 

まとめ

採尿に悪戦苦闘する飼い主様は少なくありませんが、仮にうまくいかなくても焦ったり無理に採尿しようとしたりせず、愛犬や愛猫の様子を見ながら無理のない範囲で行うことが重要です。

不適切な採尿は犬や猫にストレスを与えたり、検査結果に悪い影響を与えたりする可能性もあるため、不安な点がある場合やどうしてもうまくいかない場合は、必ず獣医師に相談するようにしましょう。

 

川崎市中原区の「馬場動物病院」
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